S12 シルビア・ガゼール
講座 V
(ウンチク・豆知識編)
さて、ここでは 不人気・販売台数過少ゆえに あまり知られていないS12について
トリビア的?豆知識講座を開設いたします。
『 S12とUS12 』
※最上級グレードは「TURBO R-X・G」なのだ!!
よく、前期・S12の最高グレードは US12(TURBO RS-X)と思われがちなんですが 実は違うんです。
US12が生まれた経緯には 実はFJ20エンジンの存在が大きく影響しています。
そもそも、S12には「新開発・軽量・コンパクト」を売りにした CA18エンジンが
今までのZ系エンジンに代わって載っています。
軽量・コンパクトゆえに エンジンルームの後方に載せる事ができ いわゆる「フロント・ミッドシップ」な車両になっています。
おかげで 軽快な加速とハンドリングを持った 乗ってて気持ちのいい「スペシャルティー・カー」に仕上がっています。
さらにその車両に「快適性・豪華装備」を持ち合わせたのが「TURBO R−X・G」というグレードになります。
キーレスエントリーシステム、フルオートエアコン、ASCD(クルーズコントロールシステム)、
パワーウーハー付きオーディオ、ナビゲーションシステム
などを標準装備しています。(※一部 HB車と異なる設定)
車両価格も 200万円代後半と 高級車な設定となっていました
まさに 廉価版のJS12を含めS12の最上級グレードにあった「TURBO R-X・G」
※シルビア TURBO R−X・G
※後から現れて おいしいトコ持っていった US12(FJ20)・・・
ところが DR30スカイラインやUS110シルビア・ガゼールで人気があった「RS」系を 新型でも継続して設定する・・・
ということが 急遽、決まり 「S12にもFJ20を・・・」ということになりました。
元々、FJ20エンジンは レース用に考えられたエンジンで 市販量産車にバカバカ載せて売るつもりはなかったとのこと・・・
ところが この人気に乗っからないわけにはいかない・・・^^;
スカイラインではターボも追加するんだから シル・ガゼにもターボモデルを設定して売っちゃおう!
・・・ということで たまたまモデルチェンジの時期に重なったため CA18一本で開発が進められ、
ほぼ完成されていたS12にも 急遽、FJ20エンジンが載る事になりました。
おかげで DOHCヘッドで背高なエンジンだったため 当時の流行だった゛スラントノーズ″の
洗礼されたボンネットデザインの中には納まらず、
すでに基本デザインが決定後だったため 上層部からのデザイン変更も許されず
苦肉の策として ボンネットに大きな穴を開け フードバルジで蓋をする・・・というところに落ち着いた。
※おかげで あの被せ目に水が溜まって錆びるんです(T_T)
皮肉にも デザイナーさんの思いとは裏腹に あのボンネットバルジが非常にインパクトがあって
゛S12の代名詞″かのようになり、人気のセールスポイントとなった。
S12系に乗っているユーザーもディーラーで後から取り付けてもらったり、
ディーラーでは売れ残ったS12にあのバルジを付けて「ディーラーオリジナル仕様車」として販売したり、
北米仕様車の200SX(CA18ET車)では もう、カタログ標準モデルが バルジ有りだったりと・・・
本来の機能やデザイン度返しの状態に陥っていました^^;
乗り味も パワーこそあって インパクトは強いものの とてもアンバランスで S12のような軽快性は損なわれている
・・・・・が、しか〜しッ! やはりFJ20の人気は独特で 一部のファンを魅了する゛なにか″がある。
結局、後から決まって出来上がった゛アンバランス″なUS12だが S12系全車の代表グレードかのように扱われるようになった。
※カタログの表紙もUS12が使われているものが多い^^;
※シルビア TURBO RS−X
※S12とUS12 比較写真
S12 |
US12 |
|
フードの違い |
当時の流行゛スラントノーズ″(フェンダーラインよりボンネットの方が低いデザイン>当時、ホンダがこれで大ヒット!) |
デザイン変更が間に合わず、ボンネットに大穴を開け バルジ(ふくらみ)で蓋がしてある |
エンジン |
CA18ET 新開発 軽量・コンパクトエンジン |
FJ20ET 当初の予定では載せるつもりがなかったため あちこちでアンバランスさが目立つ^^; |
ボンネット ライン |
↓ スッキリ!納まってます |
↓ エンジン飛び出しちゃってます(>_<)(手前に写っているのはマニホールド) |